恋愛は、本来心がときめくもの。好きな人から連絡が来ればうれしいし、会えれば楽しい。誰かを大切に思えることそのものが、人生に彩りを与えてくれることもあります。
それなのに、大人になってからの恋愛では、
「好きなのに苦しい」
「若い頃より恋愛が難しくなった気がする」
「こんなに悩むくらいなら、恋をしない方が楽だったのでは」
と思うことがあります。
年齢を重ねて、若い頃よりは恋愛経験が増えたという人もいるでしょう。人生経験も重ね、仕事や家庭についても昔より分かっている。それなのに、恋愛だけは簡単にならない。
むしろ、大切にしたいものが増えたからこそ、恋愛で考えることも増えているのかもしれません。
この記事では、大人の恋愛が苦しくなりやすい理由と、その気持ちを少し整理するための考え方を考えてみます。
大人の恋愛は、若い頃より難しい?
年齢を重ねれば、「もっと上手に恋愛できるようになる」と思うかもしれません。
確かに、以前より相手の立場を考えられるようになったり、自分に合わない関係を見抜きやすくなったりすることはあります。
その一方で、大人になるほど恋愛以外にも守りたいものが増えていきます。仕事や家族、子ども、親、友人関係、住んでいる場所。一人で築いてきた生活そのものを大切にしている人もいるでしょう。
さらに、過去の恋愛で傷ついた経験が、今の恋に影響していることもあります。
若い頃なら「好きだから付き合う」と進めた恋でも、大人になると、「好きだけで進んで大丈夫だろうか」と考えることがあります。
だから、大人の恋愛が難しく感じられること自体を、不自然に考える必要はありません。
大人の恋愛が苦しくなる7つの理由
「好き」だけでは決められないことが増えている
若い頃の恋愛にも、もちろん悩みはあります。
ただ、大人になるほど、仕事の都合や住む場所、家族、子ども、介護、経済的な事情、これまで築いてきた生活など、恋愛だけでは決められない条件が増えることがあります。
相手を好きでも、「この人と一緒になるために、今の生活を変えられるだろうか」と考える。
その結果、気持ちは前へ進みたいのに、現実は簡単には動かせないという苦しさが生まれます。
大人の恋愛では、「好きかどうか」だけではなく、この関係を自分の人生の中にどう置くのかまで考える必要があることがあります。
傷つくことへの怖さを知っている
若い頃より慎重になる理由の一つに、恋愛が終わったときの痛みを知っていることがあります。
失恋したことがある。裏切られたことがある。離婚を経験した。長く付き合った人と別れた。信じた人に傷つけられた。
そうした経験があるからこそ、「また同じことになったらどうしよう」と思うことがあります。
好きなのに踏み込めない。相手から好意を向けられてもうれしいと言えない。関係が深くなるほど、かえって不安になる。
経験は恋愛を上手にするだけではなく、慎重にさせることもあるのです。
相手との距離より「自分の生活」を守りたくなる
大人になると、一人で過ごす生活がある程度できあがっている人もいます。
仕事のペースや休日の過ごし方、友人関係、趣味、一人でいる時間。そこへ恋愛が入ってくると、うれしい反面、「この生活が崩れてしまわないだろうか」という不安が出ることがあります。
毎日連絡を取りたい人もいれば、一人の時間を大切にしたい人もいます。週末はいつも会いたい人もいれば、月に何度か会えれば十分という人もいるでしょう。
恋愛に求める距離感は、人によって違います。
大人の恋愛では、愛情の量より、距離感の相性が大きな問題になることもあります。
「好きなのだから、もっと一緒にいるべき」と考えるより、お互いが無理なく続けられる関係なのかを見ることも大切です。
「大人なのだから」と本音を我慢してしまう
寂しい。会いたい。もっと連絡してほしい。不安だから聞いてみたい。
若い頃なら素直に口にできたことでも、大人になると、
「こんなことを言ったら重いかな」
「いい年なのにみっともない」
「もっと余裕を持たなければ」
と飲み込んでしまうことがあります。
ただ、感情を持つことと、その感情を相手にそのままぶつけることは別です。
「私は今、寂しいと感じている」
と自分で認めることはできます。そのうえで、どう伝えるのか、今は伝えないのか、少し様子を見るのかを考えればよいのです。
大人であることは、何も感じないことではありません。
「今さら恋愛なんて」という気持ちがある
40代、50代になると、
「この年で恋愛するのは恥ずかしい」
「周りからどう思われるだろう」
と考える人もいます。
けれど、恋愛感情が生まれること自体に、年齢による正解や不正解があるわけではありません。考えるべきなのは、「この年齢で恋愛すること」ではなく、「どんな関係を作ろうとしているか」です。
自分も相手も尊重できているか。相手の意思を無視していないか。今の生活を必要以上に壊していないか。大人の恋愛では、年齢そのものより、そちらの方がずっと重要ではないでしょうか。
もしこの年齢から恋愛を始めてもいいのだろうか……と迷っているなら、「50代の恋愛はどう始める?今さらとためらうときに考えたい5つのこと」で、気持ちを整理してみるとよいでしょう。
将来を考えるほど簡単に進めなくなる
大人の恋愛では、「今が楽しい」という気持ちだけではなく、この先どうするのかを考えることがあります。
結婚するのか。一緒に暮らすのか。別々に暮らし続けるのか。子どもとの関係はどうするのか。親の介護が必要になったらどうするのか。経済的なことはどうするのか。
恋愛そのものは心地よくても、将来を考えた瞬間に重くなることがあります。
ただ、すべてを恋愛の初期段階で決める必要はありません。
今考える必要があることと、まだ先でよいことを分けるだけでも、少し気持ちは整理しやすくなります。
「この人を逃したら次はない」と思ってしまう
年齢を重ねると、「もうこんなに好きになれる人には出会えないかもしれない」と思うことがあります。
すると、本当は苦しい関係でも離れにくくなることがあります。相手の言動に違和感があっても我慢し、自分ばかりが合わせていても、「この人を失うよりはいい」と考えてしまう。
しかし、「次があるかどうか」と「今の関係が自分にとってよいか」は別の問題です。
「この人しかいない」と思ったときほど、一度こう考えてみてください。
この人といることで、私は穏やかになれているだろうか。
恋愛は、いつも楽しいものではありません。それでも、苦しさが関係のほとんどを占めるようになっているなら、その状態を見直す必要があります。
「好きだから苦しい」と「苦しい関係」は同じではない

恋愛をすると、不安になることはあります。
返信が来ない
次にいつ会えるか分からない
相手にどう思われているか気になる
こうした不安があるからといって、それが悪い恋愛だとは言えません。
一方で、いつも相手の機嫌を気にしている、断ると怒られる、交友関係を制限される、連絡が遅いだけで責められる、自分の気持ちを言うことが怖い――そんな状態なら、単なる「好きだから苦しい」とは違います。
恋愛で苦しいことがあるのと、苦しい関係に居続けることは同じではありません。
あなたはどうですか……?ここは分けて考えておきたいところです。
大人の恋愛が苦しいときに整理したい5つのこと
何が一番苦しいのか、一つに絞ってみる
「恋愛が苦しい」という言葉だけでは、何を変えればよいのか分かりません。
会えないことなのか。連絡が少ないことなのか。将来が分からないことなのか。相手の気持ちが分からないことなのか。自分ばかり好きな気がすることなのか。家族に言えないことなのか。
まず、一番苦しいのは何かを一つだけ言葉にしてみます。
問題が少し具体的になると、次に考えるべきことも見えやすくなります。
「相手に変わってほしいこと」と「自分で選べること」を分ける
「もっと連絡してほしい」
「もっと会いたい」
と思っても、相手がどう行動するかを完全に決めることはできません。
一方で、自分がどこまで待つのか、どんな関係なら続けられるのか、何をされたら距離を置くのかは、自分で考えることができます。
相手を変えることだけを考えていると、苦しさから抜けにくくなることがあります。
自分には何を選ぶのか、自分はどう変われるか、にも少し目を向けてみましょう。
恋愛以外の生活が小さくなっていないか見る
恋愛が始まってから、友人と会わなくなった。趣味をやめた。仕事中も相手のことばかり考えている。スマートフォンを何度も確認する。
もしかしたら、そんな状態になっていないでしょうか。
恋愛は、人生の大切な一部分になることがあります。
ただ、恋愛だけが生活のすべてになるほど、相手の反応一つで気持ちは大きく揺れやすくなります。
恋愛以外の時間を取り戻すことは、相手への気持ちをなくすことではありません。
自分の生活のバランスを戻すことです。
「この関係で私は自分らしくいられる?」と考える
恋愛をすれば、多少は相手に合わせることがあります。それ自体は悪いことではありません。
でも……、
言いたいことをいつも我慢している
嫌われないように演じている
本当は嫌なのに断れない
そんな状態が続いているなら、一度考えてみたいことがあります。
この人といるとき、私は自分らしくいられているだろうか。
相手を好きかどうかだけではなく、その関係の中にいる自分を好きでいられるかも、大人の恋愛では大切な視点です。
一人では整理できないなら、誰かに話してみる
大人の恋愛ほど、友人や家族には言えない、職場の人には絶対に知られたくない、ということがあります。
そのため、一人で何度も同じことを考え続けてしまうことがあります。
そんなときは、信頼できる友人や、利害関係のない第三者、専門家、匿名で利用できる相談サービスなど、誰かに話してみることも選択肢です。
答えを決めてもらうためではありません。
自分の気持ちを言葉にすることで、自分が何に苦しんでいるのかを整理するためです。
誰に話すか迷うときは、「恋愛相談は誰にする?友達・第三者・専門家など相談相手の選び方」で、考えを整理してみてください。
「もう別れた方がいい?」と迷ったとき
恋愛が苦しいと、「もう別れた方がいいのかな」と思うことがあります。
ただ、一つの苦しさだけで「別れるべき」や「続けるべき」と決めることはできません。
代わりに、
一緒にいると安心できる時間があるか
自分の意思を尊重してもらえているか
ちゃんと話し合いができる関係か、
一方だけが我慢し続けていないか
苦しさが一時的なのか長く続いているのか
を考えてみます。
もし、暴力や脅迫、強い束縛、監視、人格を否定する言葉などがある場合は、「恋愛の悩み」として二人だけで解決しようとせず、安全を優先してください。
必要に応じて、信頼できる人や適切な相談窓口へ助けを求めることも大切です。
大人の恋愛は「余裕がある恋」でなければいけない?
「大人の恋愛」と聞くと、落ち着いている、相手に依存しない、嫉妬しない、追いかけない――そんなイメージを持つかもしれません。
でも、大人になったからといって、寂しくならないわけではありません。嫉妬しないわけでも、会いたくならないわけでもありません。
むしろ、自分の感情に気づいたうえで、それをどう扱うかを考えられることの方が、大人の恋愛には大切なのではないでしょうか。感情そのものを押さえつけようとする必要はありません。
まとめの言葉|苦しい理由が分かると恋愛との向き合い方も変わる

大人の恋愛が苦しくなる理由は、一つではありません。
守りたい生活がある。傷つく怖さを知っている。本音を我慢している。将来を考えてしまう。「次はないかもしれない」と不安になる。
いくつもの事情が重なっていることがあります。
だから、
「大人なのに、どうしてこんなに恋愛で悩むのだろう」
と自分を責める必要はありません。
まず、「恋愛が苦しい」という大きなモヤモヤを、
私は何が一番苦しいのだろう
という問いに変えてみてください。
会えないことなのか。将来が見えないことなのか。相手の態度なのか。それとも、自分自身の気持ちなのか……。
そこが見えてくると、話し合う、少し距離を置く、誰かに相談する、今の関係を見直す、といった次の選択肢も見えやすくなります。
大人の恋愛だから、いつも余裕を持っていなければならないわけではありません。
自分の気持ちも、相手の気持ちも、今の生活も大切にしながら、自分が無理なく続けられる関係を考えていく。
それが、大人の恋愛の一つの形なのではないでしょうか。

